広島/八本松 カリグラフィー教室 Ninograのブログ

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Letter Arts Review 30:1 The Annual Juried Issue

唯一グローバルな世界で自分のカリグラファーとしてのレベルを確認できるアメリカのレターアート季刊誌、”Letter Arts Review 30:1 The Annual Juried Issue”に入選しました。

昨年の11月ころに2点入選の連絡が来た時、嬉しさとともに少し複雑な気持ちもありました。

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なぜならいつも私が入選するものは、自分にとってただただ楽しんで作ったもの=思慮深い想いが特別に入っているものではないのです。

文字については常に審美眼を持って邁進しているつもりですが、”楽しさ、自分の求める単純で面白く生きる世界観”を文字の造形で表現したものが評価されているように思います。文字デザイン的なもの・・・。

もともと文学を読んで思慮深く考える人間ではなく、完全な感覚人間なので、長くカリグラフィーをやっていると自分の方向性が自然と分かってきたような気がします。

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面白いことに特に同世代のカリグラフィー仲間達はみな個性がバラバラ。
それぞれの目指す世界観はとても独創的。彼女達の作品をみるといつも自分に足りないものが良くわかります。でも、自分には到底到達出来ない素晴らしい世界観。

彼女達がいるから、もっともっと自分が頑張れる・・・とても良いスパイスです。

今回の講評で審査員の一人、Peter Thornton氏が最後に書いていたこと、

“What do you want to say with your calligraphy?”

When you discover your own unique answer, you will know better what you need to learn and, perhaps, the tools you will need to learn and, your goal.

Now, back to the joyful act of writing.

この課題は昔から考えていること、そして少しずつその答えに気付いてきているんじゃないか・・・ということに自分なりに嬉しく思いました。

Peter氏から直接学んだことはありませんが、昔conferenceなどでは良くお見かけしていて、なんといっても奥様のSherriさんから学んだ貴重な時間は私の忘れられない思い出の一つとなっています。

なのでメッセージを送ってみました。

そうしたところ、このPeter氏がこの問いに自身の思いを私に送ってくれました。

Yes, it is an interesting question one area/aspect of calligraphy that I am interested in is “Delicacy and sensitivity” as I feel it helps with what “I want to say”.
I think this is a very natural quality of many/most female calligraphers (especially Japanese!!) but not quite so common in we men:)

また次に向かって邁進したいと思います。

*家にツバメちゃんがやってきました!自然のことだけれど、今年も楽しませてくれることを願っています〜。

 

 

 

 

Ambigram〜アンビグラム

遡るは1年半くらい前、Ambigram(アンビグラム)という技法を使ったロゴマーク作成依頼がありました。

Ambigramとはいわゆる鏡文字のことです。

以下Wikipediaより

アンビグラムambigram、またはinversion, flipscript)とは、語を与えられた形式だけでなく、異なる方向からも読み取れるようにしたグラフィカルな文字のこと。テキストはいくつかの語からなる場合もあり、異なる方向で綴られたテキストは同一のものであることが多いが、違うテキストになることもある。ダグラス・ホフスタッターはアンビグラムを「2つの異なる読み方を同一のひとそろいの曲線に何とかして押し込める筆記体デザイン」と述べている。

わかりやすく言うと、文字を180度回転させたり、鏡に写したりしてできるデザインのことで、多くはシンメトリカルで、同じ語に読める。

ambigram

お客様は”Artelinguajapan”様。翻訳を言語の芸術とらえ、二言語の対称性を回転対象で表現するお仕事をされているようで、現在は世界各国のフリーランス調査員に翻訳関係の事実調査を依頼されているそうです。奥様が翻訳家だそうです。

Artelinguajapan〜 Arte=art, lingua=language 

あらゆる面から納得いくものを検討されていたそうで、長年をかけてご自身でカリグラフィーやアンビグラムの本をたくさん読んだそうです。

ご自身でも作成し、外国人アンビグラム・デザイナーに依頼されたりしてもう一歩というところでお問い合わせをいただきました。

外国人デザイナーの案はさすが素晴らしかったです。この原案からこれを私なりのNINOGRAテイストに仕上げてほしいということでした。

”時間をかけて考えてもらってもかまわない”ということで、1年間は他のこともあり頭では考えながらも具体的には作業していませんでした。昨年の夏頃に真剣に考えようとスケッチを始め、3〜5回手直しして年末にようやく完成しました。

この間、Artelinguajapan様のこだわりと私なりの感性がズレていたこともあり大変でしたが、年末に漸くOKが出たところで安心しました。

Artelinguajapan

不思議なことに、正直・・・私にとってものすごく難しい課題だと思っていたのですが、案を出しているうちに快感に変わっていきました。

あらゆる文字の形を把握していて初めて出来る文字Art。いくつもの可能性、アイディアを出し、あーでもない、こーでもないとノート一冊が鉛筆書きでなくなりました。

Ambigramといえば、アメリカのグラフィックデザイナー、作家、画家と文字にあらゆる面で精通しているJohn Langdon(ジョン・ラングドン)

ホームページは圧巻です!!!これを機会にWordplayを読んでみるつもりです。

文字(アルファベット)って本当に面白いと再確認しました。

一言でカリグラフィーといっても可能性、分野、方向性は多岐に渡ります。

あまりに面白過ぎて・・・一生カリグラフィーとの付き合いは終わらないと心から思い、常に向上していくことを決心しました。

この度はArtelinguajapan様のこだわりの要望、外国人デザイナーの方の案、私なりのテイスト&アレンジが合体して出来たロゴマークになりました。

 

 

 

 

 

 

蔵書票〜Exlibris

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以前からデザインしてみたかった蔵書票(Exlibris)。

年末に銅版画家の友人が「蔵書票展するんですけど、参加しませんか〜」と言ってくれたので即答しました。「するっ!」と。

よく蔵書票って何ですか???と聞かれるので、Wikipediaより〜

蔵書票(ぞうしょひょう)ないし書票(しょひょう)は、本の見返し部分に貼って、その本の持ち主を明らかにするための小紙片。より国際的にはエクスリブリス(Exlibris、「だれそれの蔵書から」という意味のラテン語)と呼ばれる。英語ではbookplate。

図と一緒にExlibrisという言葉と蔵書の持ち主(票主)の名前が画面に入れられることが多い。古くは紋章や肖像画に個人のモットーを書き入れた図案が好まれたが、票主の職業や故郷を示す絵柄、本や書斎に関する絵柄など多様な図案が用いられている。版種も、銅版画、木版画、リノカット、石版画、孔版など様々である。著名な芸術家の手によるものもあり、美術品として収集の対象にもなっている。

カリグラフィーで参加してくれたら良いと言われたのですが、版画全般に興味がある私は、あえてカリグラフィーでデザインした文字を銅版画に応用して参加させてもらうことにしました。

カリグラフィーとは手書きでデザインした美しい文字のこと、蔵書票にするには原案を作って何らかの方法で複製しなければいけません。

やりたかったことが山のようにあるのだけど、銅版画愛好家様達の展示なので素人ながらにも同じ銅版にて挑戦させてもらいました。

ちなみに蔵書票の図案には何よりも大好きなカリグラフィーに使うペン、愛するツバメちゃんをイメージして作った文字を入れています。

実際エッチングが一番魅力的なんだろうけれど、デザインした2案を色々な技法で遊んでみたいと思い、まずは最近教えてもらったトナーを利用した技法、そして樹脂版にデザインを感光して作る技法に挑戦しました。

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私がどうしても作ってみたいプロジェクト用に購入している7センチ×7センチの銅版2枚と樹脂版2枚。

銅版の腐食、感光、刷りなど5〜6時間かけて4タイプ作りましたが、こんな短時間で無理がありました。(反省)

でもまだまだやりたい技法、他の版画等たくさんあるので、しばらく楽しんでみようと思います。

刷った4枚はNewsにも書いた古本屋カフェ”本と自由”さんに展示させていただいています。

(また後日”HANDWORK”のページに追加します。)

販売出来るものは・・・ということでこのようなものも用意しました。

exlibris-copy

参加する皆さんの作品、そして同時期に開催する友人の2期にわたる銅版画の個展もとても楽しみです。